2026.04.30
はじめまして。食べることが大好きな、つなぎめライターの白南風サウスです。
今回は、私が大好きな「ココトモファーム岡崎店」に取材に行きました。ココトモファームは米粉を使ったやさしい味のバウムクーヘンを販売するお店です。また、岡崎店は、サイニングストア(手話を共通言語としたお店)でもあります。こちらでは、手話に加えて、聴者・難聴者・ろう者の方々が、筆談やジェスチャーなどさまざまな方法で接客を行っています。
最初に私とココトモファーム岡崎店との出会いについて少しお話させて下さい。昨年の夏、私は体調を崩してしまいました。特別何かあった訳ではありません。私の心のクセが原因の一つだったと考えています。それは、ネガティブと言われる感情はもちろんのこと、好き、楽しいといった感情でさえも、自分でも気付かないうちに、ムシしてしまうことでした。家族、友人達の支えもあり、体調はよくなり、以前より感情を言葉で伝えることはできるようになりました。しかし、自分の感情を感じとっても、それを素直に身体で表現することができませんでした。心と身体がバラバラのように感じていました。
そんな日々の中、ココトモファーム岡崎店に出会いました。バウムクーヘンが好きだったこと、覚えたての手話を使いたかったことから、ふらりと、お店に立ち寄ってみました。私は自分用に小さなカットバウムを購入しました。すると、スタッフの方は、弾けるような大きな笑顔、身振り手振りで、本当に嬉しそうに、カットバウムを販売してくれました。ありのままの感情をそのまま伝える接客に、衝撃を受けました。今思うと、私も同じように、ありのままの感情を伝えられたらよかったのですが、嬉しくも、少しこそばゆい気持ちとなり、覚えたての手話で、簡単に「ありがとう」と伝え、そそくさとその場を去ってしまいました。自宅に戻り、購入したカットバウムを食べました。その味はやさしく、ゆったりとした時間の中で、その美味しさの余韻に浸ることができました。それ以来、私は、ココトモファームのファンとして利用させて頂いています。
この記事では、やさしい味のバウムクーヘンとともに、お店に流れるあたたかく前向きな空気をお伝えできたらと思います。今回、ココトモファーム岡崎店の店長・瀬野さんにお話を伺いました。

写真左が瀬野さん
店内は白を基調とした温かな雰囲気。中央には、天井近くまで伸びる背の高い木のオブジェがあり、お客様をやさしく出迎えています。
ココトモファームは、自家製の米粉のみで焼き上げたグルテンフリーのバウムクーヘンを販売しているお店です。お米本来の自然な甘みと風味を活かした、身体にやさしいおいしさが特徴です。生米粉100%を使用した【ソフトバウム白米】、玄米の生米粉を使った【ハードバウム玄米】。ほかにもチョコレートやいちご、西尾抹茶を使ったものなど、その種類もさまざまです。岡崎店では、【ソフトバウム白米】と【ハードバウム玄米】の試食ができます。時期によっては違う種類のバウムクーヘンが試食として出ることもありますが、メインはこの二つです。私は【ソフトバウム白米】が大好きで、よく自分へのご褒美に購入しています。ほのかな甘さでさっぱりと食べやすく、私のお気に入りの食べ物のうちの一つです。【ハードバウム玄米】は普段よく見かけるバウムクーヘンとは異なり、歯ごたえがしっかりしたハードタイプで、甘いものが苦手な方でも食べて頂けるものになっています。

店内に並ぶさまざまなバウムクーヘン(写真は取材時のものです。最新の商品情報はお店のInstagramをご確認ください)


バウムクーヘンが美味しいことはもちろんのこと、私はスタッフの方々の明るい接客にも、いつも元気を貰っています。そこで、瀬野さんにどのようなスタッフの方々が働いているのか尋ねてみました。すると、「明るく、前を向き、あきらめない気持ちをもっているスタッフの人たちが働いている」と教えて頂きました。そのことがよく分かるエピソードがあります。
働かれている方々は、もともと接客が苦手な方が多かったそうです。特にろう者の方の場合は、聴者との関わりに慣れていなかったため、どう接すればいいのか分からなかったからだそうです。最初は、お客さんに試食を勧めることができませんでした。瀬野さんは「経験してみないと分からない」という考えのもと、まずやってみることを大切にし、行動してみることを積極的にスタッフの方々に促しました。その積み重ねが自信となり、今ではどんどん自分から試食を勧めることができるようになったそうです。スタッフの方々が、自分がどうしたらいいか、自ら考えられるようなっていることも、瀬野さん自身、とても嬉しいと仰っていました。
また、ろう者、聴者では文化に違いがあります。手話は単語、単語で話すため、ろう者の方の表現はどうしてもストレートなものになることが多いです。一方、聴者の方は、ストレートな表現に慣れておらず、その違いに互いに戸惑う場面もあるそうです。そんな時は、難聴者の方がろう者と聴者の通訳としてつなぎ目となるそうです。ココトモファームのマークは、いろいろな色、大きさ、形をもつ様々なピースが集まって丸になっています。それぞれ凸凹していても、みんなで助け合って丸になればいいという考え方を示しています。ココトモファーム岡崎店では、ろう者、聴者、難聴者の方が、お互いに助け合いやさしい丸をつくりながら、前向きに働いていました。

お客さんもさまざまな層の方がいます。小麦を使っていないため、小麦アレルギーをもつお子さんのいるご家庭や、健康意識の高い方、手話を使って「手話べり」をしたい方、また、最近は40代~50代の男性のお客さんがとても多いそうです。ギフトやお歳暮として利用されることが多いですが、商品を購入するだけでなく、店員さんとのやりとりを楽しみに来ている方も多いそうです。お客さんからは「カフェをつくって欲しい」との声も上がっています。

私は将来、手話ができるカウンセラーになりたいと考えていたのですが、今回のお話の中で、とても印象に残った言葉がありました。
「伝わることが一番大事で、正しい手話を覚えることが正解ではない」というものです。
瀬野さん自身が、手話を学ぶなかで、かつて強く言われた言葉だそうです。音声アプリでも、筆談でも、なんなら顔の表情一つでも人に伝えることはできると仰っていました。瀬野さんのお話から、コミュニケーションの方法やその正しさに捉われるのではなく、自分を伝えようとする気持ちをコミュニケーションに上乗せすることが大切なのだと学びました。
ちなみに、ココトモファーム岡崎店は、スタッフさん同士とても仲が良いそうです。言いたいことが言い合える関係だからこそ、その仲ができているのではないかと、瀬野さんは仰っていました。
インタビューの最後に「スタッフさんお勧めのバウムクーヘン」について尋ねたのですが、その答えが個人的にステキだなぁと思いました。仲がいいスタッフさん同士の間でも、好きなバウムクーヘンはバラバラらしく、意見は分かれるのだそうです。
みなさんなら、どのバウムクーヘンを選びますか。
ぜひお店に足を運んで、スタッフの方々がつくるあたたかな空気の中、ゆったりとした気持ちで、お気に入りのバウムクーヘンを見つけてみてください。

ココトモファーム岡崎店
所在地:
〒444-0837 愛知県岡崎市柱4丁目8−6 リバーサイドミキ 1階
営業日:10:00~18:00(火曜定休日)
Instagramアカウント:
@cocotomofarm_okazaki