2025.03.03
はじめまして!現役大学生のみーこと申します!
私は、現在大学で福祉について学んでおり、その中でも高齢分野に興味を持っています。そこで始めたデイサービスでのアルバイトの中で高齢者の方々と接するうちに、“老い”という過程を経ていく中でも、高齢者の方1人ひとりの「その人らしさ」を守るためにできることは何だろうと考えるようになりました。
“老い”のひとつでもある「認知症」。
皆さんは「認知症」といったらどのような印象を思い浮かべますか?昔は「痴果(ちほう)」や「呆け(ぼけ)」とも言われていた認知症。「ボケる」という言葉からも分かるように、どちらかというとネガティブなイメージを持つ方も多いのではないでしょうか?
今回は、そんな認知症に対する考え方が変わる素敵なデイサービスにお邪魔しました。
面白いことをたくさんされていて、魅力がいっぱい詰まっている場所です!
私が取材をさせていただいたのは、デイサービス「ログ青空」さんです!
*以下「ログ青空」と称します。
代表の兵藤翠(ひょうどうみどり)さんに伺ったお話と、私が感じたことを皆さんにお伝えできればなと思います!
ログ青空とは
まずは基本的な情報から。
「ログ青空」は、“社会参加型”デイサービスとして藤川町にオープンされました。
そもそもデイサービス(介護保険による通所介護)とは、
「介護が必要な、高齢者の方や40歳以上で認知症など特定の病気のある方が、できるだけ自宅で自立した生活が続けられるように、介護サービスが受けられる施設のこと」
を言います。
受けられる介護サービスはいろいろあるのですが、体の機能の維持や向上を目指すサービスもあります。一般的にはその場合は運動器具やレクレーションを通して行われることが多いです。
一方、ログ青空はコンセプトを「ボランティアをする・仕事をする」とする“社会参加型”のサービスを行っています。サービスを受けるだけではなく、働くことで社会と関わり、機能の改善や維持を図る、いわば「働くデイサービス」なんです!
コンテナが立ち並ぶ商業施設「藤川ログ+」の中にあり、その奥にある立派なログハウスが「ログ青空」となっています。中の雰囲気もおしゃれで、とても素敵な空間でした!
このデイサービスに現在通われているのは、60代~90歳の方々で、平均年齢は80歳前後となっています。認知症があるけれども、体が動く元気な方を対象としています。取材時点では、12名の方が登録されていて、一日に5名ほどの利用者さんが来られていました。
認知症ケアで大切な「その人らしさ」
利用者さんを見て私が感じたことは、利用者さんがとにかくお元気!
職員さんたちにも負けないくらい、むしろ上回るくらいパワフルに活動されている姿が印象的で、私が取材に行かせていただいたときは、お花の水やり、エプロン畳み、お話…などなど、一人ひとりがやりたい活動をされていました!
さらに、お昼ご飯は、利用者さんが主体となって食べたいものを決めるそうなんです!冷蔵庫と相談をし、足りない材料があれば職員さんとともに買い物にも行っちゃいます!
このように、活動するときは常に、利用者さん一人ひとりに「何をしたいか?」を考えてやっていただくスタンスがとられていました。
ただ、活動は強制ではありません。やりたくないこと・できないことは無理強いせず、本人の意思を尊重します。
利用者さんとの関わりの中で職員の方が意識されていることがいくつかありました。
まずは、否定をしないことです。
年齢を重ねる、認知症になるというと、できないことや物忘れも増えていきます。ですが、それは仕方のないことです。職員の方は「誰もが認知症を認められるようになる」ことを目標とされています。やりたくないこと・できないことも自然に言える、それを当たり前に助け合える環境づくりを意識されています。この意識が、利用者さんの自信につながり、その人らしさを引き出しているのだと感じました。
次に、対等な関係性です。
「職員」や「利用者」といった枠組み関係なく、みんなが横一列になって過ごせる環境を心掛けられていました。利用者さんと職員さんで、作業を一緒にしたり、食事のメニューなどを一緒に考えたり…。職員の方と利用者さんが良い意味で対等な立場で接しておられて、素敵な関係性だなと感じました。
こういった利用者さんの意思を尊重し、対等な関係性を築こうとする職員の方の意識が、ログ青空の活気につながっているのだと思います。
高齢者と言われる年齢になると、身体・認知機能が衰えてきたり、認知症になったりしてできないことが増えていきます。そのため、どうしても周りが「助けてあげなきゃいけない存在」という認識になってしまうことがあると思います。
確かに、若いころに比べてできないことは増えていくかもしれない。
しかし、まだまだできることはたくさんある!
高齢になっても、周りがその方の自主性を尊重できることが、ご本人の生活を豊かにする、一番の認知症ケアになるのかもしれません。
“デイサービス”だけでなく“地域の居場所”として
また、ログ青空に来るのは利用者さんだけではありません!
子どもから大人まで、幅広い世代の地域住民の方々が訪れます。
…というのも、ログ青空はデイサービスとしてだけではなく、「地域の居場所」としての機能も果たしているんです!
私が取材で訪れた日も、藤川町の居場所作りプロジェクトとして「おでんを一緒に食べようの会」が開催されていました。お子さんを含めた地域の方がお昼ご飯を食べに来られていて、和気あいあいとした空間になっていました。
普段ひとりでご飯を食べられている方や、近所の方と話す機会や場所を探している方など誰でも気軽に参加することができるそうです。
さらに、駄菓子屋さんもやられていて、利用者さんが店員さんとなって接客をしてくださるそうです!
こういった世代を超えた多世代交流は、利用者さんの生きがいにつながります。
また、代表の兵藤さんはもともと「誰でも気軽に来られる場所、気軽に相談できる場所があるといいな」という思いを持たれていたそうです。
悩みというのはなかなか相談しにくいこともあると思います。そういったときに、ログ青空で人生の大先輩である利用者さんとお話をしたり、利用者さんだけでなく地域の方と交流をしたりすることで、不安の解消やつながり作りを行うことができます。
こういった気軽に来られる場所、相談できる場所があり、地域の方と交流することで地域の活性化にもつながっていると感じました。
兵藤さんは、将来的に、ママさん世代の方も一緒にお仕事をして、「ログブランド」で商品が出せたらいいなとおしゃっていました。
高齢者の方だけでなく、地域全体に目を向けるという兵藤さんの視点が様々な活動につながっていて、きっとこれからも誰かの生きがいにつながっていくのだろうなと思います。
今回の取材を通して私がなにより印象に残っているのは、職員さんと利用者さんの笑顔です。ログ青空では常に笑顔があふれていて、取材をさせていただいた私まで元気がもらえました!
代表の兵藤さんは、「駄菓子買いに来てください!手作りジンジャーエールも飲んでいっていただけたら嬉しいです!」とおっしゃっていました。
今年の1月からは
毎週木曜日の13:00~15:00は開放
第3木曜日の11:30~15:30は食事会
として誰でも行ける機会があります!
さらに、ここでは紹介しきれなかったですが、ログ青空では様々な活動をされていて、インスタグラムにたくさんアップされているのでそちらもぜひチェックしてみてください!
皆さんもぜひ気軽に、元気をもらいに行ってみませんか?
きっと笑顔になること間違いなしです!
ログ青空
住所:〒444-3523
岡崎市藤川町字河原20-1
TEL:0564-73-8770
Instagram:@logaozora
開放日:毎週木曜日13:00~15:00
食事会:第3木曜日11:30~15:30