2023.11.28
こんにちは!
再び登場!岡崎1のズボラて〜げ〜主婦、あさやんです。
(※て〜げ〜とは沖縄方言で“テキトー”という意味です^^;)
今日はあなたのお力をぜひ!!お借りしたいと思っております。岡崎の悩める子どもさんに届くよう、「もしかしたら身近にこういう環境の子がいるかも知れない」…と知ってもらえると嬉しいです。
「ヤングケアラー」
あなたはご存知でしょうか。
本来、大人が担うはずの家事や家族の世話・介護を18歳未満の子どもが日常的に行っている人をヤングケアラーというそうです。家事は買い物や料理、掃除、洗濯 etc…。世話や介護は、病気や障害のある親や兄弟などを手助けすることです。
私がこの言葉を知ったのは某テレビ番組でした。
高校生くらいの男の子が自分の部屋で机に向かっていると、赤いランプが点灯し「呼んでいます」と鳴る機械音。彼を呼び出したのは、介護用ベッドで横になる彼の母親でした。
「トイレへ行きたい」
そう告げると慣れた手付きで母親を抱き起こし、そしてトイレに付き添っていました。
いかがでしょう。
自分事として想像してみて下さい。
思春期真っ盛りの男の子。母親のトイレに付き合うのはどんな気持ちなんでしょう。しかも男の子は、こうも話していました。
「生理の血がもれて大変だった事もある」と。
日本全国にヤングケアラーはどのくらい居るのでしょう?
いくつかの調査をみてみると、おおよそ15〜17名に1人という割合でヤングケアラーはいるようです。
(団体によって僅差あり)
どうでしょう。
2クラスに1人は必ずヤングケアラーがいる…というような数字ではないでしょうか。そう考えてみると、ヤングケアラーは結構身近にいると思いませんか?私はこの数でも多いなという印象を持ったのですが、さらにこんな実情もあるようです。
“ヤングケアラーの子はあまり自分のおかれた状況を話さない”…というのです。
先ほど紹介したテレビの男の子もそうでした。「話したい」と思ったことがない、と。なぜ、そういう事が起こるのでしょう。
そもそも家族のデリケートなことなので、よそでは話しにくい、、家族を悪く言うようで気が引ける、、そういう事があるのではないでしょうか。
他には、物心ついた頃から家族のお世話を担うのが当たり前で育ってしまったので、自分の置かれている状況が異常だと感じられない、というのもあると思います。
子どもが担うには、重すぎる負担…。幼い心の状態なのに、抱えるものが大きすぎますよね。
そんなヤングケアラーの子どもたちの為に、何か出来ることはないだろうか…と立ち上がったのが和衷代表の佐藤由香さんです。
そんな佐藤さんも実はヤングケアラーだったといい、小さい頃から“おとなびていた”といいます。
佐藤さんが“和衷”という団体を立ち上げたのは、令和3年の10月。この頃、ご自身も体調が優れなくて辛い状態にあったそうです。しかし、“私(佐藤さん)のように苦しんでいる人がいるかも知れない…”と奮起したのが団体立ち上げのキッカケなのだそう。
そして、そんな佐藤由香さんの頑張りをそばで見ていた旦那様である佐藤佑一さんも「今はしっかりと彼女を支えてあげたい!」と当時勤めていた会社を辞め、ご夫婦二人で活動を続けてきたといいます。
それを聞いたとき、なんて美しい心なんだろう…と思いました。自分が苦しい中でも、同じような想いを抱える子を救いたい!支えたい!と愛のあるご夫婦の心、そこに感動しました。きっと、苦しみを痛いほど知っているからそういう気持ちがわいてくるんだろうなぁと思いました。
先月10月26日で設立2周年を迎えた和衷さん。現在はInstagramやLINE、ホームページからご連絡を下さった方のご相談にのったり、マルシェやおはなし会を中心に、周知活動にも力を入れていれております。
ここで少し、佐藤さんの経験をご紹介させてください。
佐藤さんのお母様は、佐藤さんが生まれる前から病気がちだったそうです。物心ついた時にはもうすでに布団で横になっている事が多く、お母様の代わりに買い物へ行くのは小学生の頃からしていたと教えてくれました。
お母様の話し相手(愚痴)を聞くのは毎度のこと。自分のせいでお母様の機嫌を損ねないよう気を遣って過ごしていたといいます。佐藤さんには同居のお父様もいらっしゃったのですが、お父様はお母様の病気に対してあまり理解が無かったのだそう。その為、お父様からの協力はあまり得られず、一人っ子だったこともあり「私しかいないから」とお母様の支えになってあげていたそうです。
遊びたい盛りの時期、勉強や宿題もやらなくてはいけない時期、思春期で思い悩むことも多い時期、そんな中でも、時間と労力と精神を使って家族と向き合ってきた佐藤さん。
当時、どんなサポートが欲しかったかを聞いてみると「自分のケースで言うなら、やはりもっと家族の協力(お父様のサポート)が欲しかった」と教えてくれました。お母様の病気や薬に対する理解、お母様への接し方などをお互いに話し合って工夫していけるような協力体制があったら良かったな…と。
佐藤さんのお母様は福祉サービスを一切受けることが無かったらしいです(それは今でも続いているとの事)。その点においても、佐藤さんへ負担がかかったのではないでしょうか。
私は、ここへのアプローチもひとつ問題点ではないかと思いました。
“家族だから言いたいことを言い合える”という事もあれば、“家族だからこそどう伝えていいのか分からない”、というパターンです。
家族間のコミュニケーションは思ったより難しいと皆さんも感じることはありませんか?
ひと昔前ならばおじいちゃん、おばあちゃんと同居していたり、地域の繋がりもあったでしょう。そんななかで中和されながら家族の話し合いが出来たかも知れませんが、今は核家族が当たり前の時代。近い距離感の家族に言われるからこそ逆に意固地になって、家族の提案は受け入れられない(なんなら腹立たしい)…となってしまうのかも知れませんよね。
そんな時に和衷さんのような団体があることで、周りからの助言なら受け入れることができ、話がスムーズに進む事もあるのではないかと思います。
ただ、ヤングケアラーと支援団体が繋がることにはもう少し壁がありそうです。
今、ヤングケアラー支援のモデル事業として愛知県内では大府と春日井と豊橋の三ヶ所にコーディネーターを配置しているとお聞きしました。まだ始まったばかりの事業。ナイーブな案件なだけに当のコーディネーター達もまだまだ手探りの部分もあるらしく、ヤングケアラー経験者でもある佐藤さんに話が聞きたいと、交流ができたそうです。
ヤングケアラーとコーディネーターを結ぶもの。
一つの課題は、やはり信頼関係を築くこと。子どもがまったく知らない大人にいきなり心を開くにはきっと少し勇気が必要ですよね。いかに安心感や親近感を持ってもらうかが大切になってくると思います。もちろん支援する側も丁寧に向き合ってくれるはずですが、個人的にはもう少し、ヤングケアラーと支援者の架け橋になるような協力者がいてくれたらもっといいなぁ…と私は感じています。
それが二つ目の課題に該当してくるのでは…と思うのですが、
それは周知の問題です。
例えば、ヤングケアラーで悩んでいる子がいたとして、、周りが元気がない事を心配して声をかけたり、本人が打ち明けてくれた時に「こんな場所があって、そこには支援者がいるんだよ」と教えてあげられるような準備がみんなの中にあってくれるといいなって思います。一人ではなかなか支援者へのコンタクトを取れなくても、そうした身近な人からの助言や後押しがあれば「頼ってみようかな」という気持ちに傾いてくれるのかなって。
だからね、、
ここからは私からのお願いとして書かせて下さい。
この記事を読んでく出さった方、もし良ければ、
「ヤングケアラーって知ってる?」
「こんな事情を書かせて抱えた子どもがいるみたいなんだよ」
って、
それだけでいい。
それだけでいいので、
会社で同僚に。
親ならお子さんに。
(そして出来ればお子さんは友だち同士に)
小さな波があちこち伝わって、これがいつしか大きなパワーになっていって欲しいなって思います。それが悩んでいる子の耳に入り、支援が届きやすくなればいいなと。
「ヤングケアラーって知ってる?」
この1分のあなたの会話が、将来誰かを救うことになるかも知れません。
最後に。
団体名でもある「和衷」に込められた佐藤さんの想いを紹介したいと思います。
和→なごむ
衷→心の真ん中
そして和衷、佐藤さんの名刺に着物の女性が描かれているのですが、着物の襟が合わさっている部分に特に想いをのせているといいます。“襟を合わせるように、悩める子どもさんの想いや希望を同じ気持ちで重ねていきたい”…と、佐藤さんの心からの寄り添いが込められています。
子どもの笑顔がパワーになるんです!と話してくれた佐藤さん。岡崎でもヤングケアラー事業が活性化し、悩めるお子さんが少しでも早く、少しでも多く救われるようになっていけたらいいなと思います。
和衷(わちゅう)
インスタグラム:@wachu.1026
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