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コドモが「子ども」らしく、いられるところ ~ホンモノの自然を通した保育~

2024.06.18

自然あそびが大好きなママsnowです。

 

 

360度見渡す限り、大自然に囲まれた、ももの木保育園。園庭は、ホンモノの山と斜面、毎月の防災訓練のピンポンパンポーンと機械音が鳴る以外は、鳥の鳴き声、生音楽、生歌をとおして、本物の音を感じることで脳の発達を促し、感性も豊かに育ちます。

 

 

今回、こちらの園を紹介させていただいた大きな理由からお伝えしたいと思います。参加した体験保育で、子どもへの環境のプレゼントになる、そう感じるポイントがたくさんありました。泣いたり、笑ったり、仲間とおもいっきりぶつかって、こんなにも人と向き合う環境は、人生の中でどれくらいあるのだろう、そこが一番心動いた点です。きっと、今後の人生において、なんらかの形で、活きてくるときが来ると感じました。

 

ももの木保育園では、斎藤公子さんの保育論に学び「どの子も育つ 育てる保育」を実践しています。健常な子も弱さを持つ子も、動物も自然も、子も親も、みんなで育ち合う場です。生活を通して、食べる、寝る、からだを動かす、といった、保育というより生活そのものを大切にしています。

 

斎藤公子さんは、宇宙からはじまり、医学的なはなし、進化のはなし、舞踊、文学、、、すべて網羅したお話をされ、保育の話に戻ってくるようなおもしろい方とお聞きしました。

 

さかのぼること46億年。ひとつの細胞から進化して、魚類→爬虫類→両生類→人となっていく歴史があり、お母さんのおなかの中でも、魚のような時期から、トツキトオカでヒトになります。こうして、進化の過程を、おなかの中で、反復しながら、脳神経も育っていきます。

 

「斎藤公子のリズムあそび」は、そのような生物の進化の法則にのっとり、走る、止まる、跳ぶ、転ぶ、這う などの動きに、歌や音をつけて楽しく動くことができるようにつくられています。生のピアノ演奏にあわせて、元気いっぱい走りまわり、子どもたちは大好きな時間です。

 

生物の進化の道筋は、子どもの発達の道筋でもあり、子どもの身体の骨や筋肉、感覚神経、運動神経の発達を促します。リズムあそびを通して、姿勢が良くなる、転びにくい、土踏まずが形成される、手先が器用になる、そんな人間の科学まで、考えて、心も身体も育んでいきます。親子リズムの時間も、子どもたちにとって、うれしい時間になっています。

 

 

取材当日は、園長から、園で大切にしている点やここで育っていく子どもたちの成長、心の変化について、魅力をたっぷり聞かせていただきました。

子どもたちは、けいちゃん、と、名前で呼びます。対等に認め合う中で、困ったことがあれば、助けを求め、そうでない時は、オレこんなことできる、と、イバる子もいて。おもったことを垣根なく話せることが大事です。

 

斎藤公子さんが、最初に出した本【子育て】にもありますが、尊敬していないわけでも、バカにしているわけではない。呼び捨てだから、言葉が乱暴になってしまいますが、そこではない、と言うことです。

 

 

 

元気に鳴いて出迎えてくれた、くじゃくのくーちゃん。園にやって来た当初は、放し飼いだったそうです。散歩に出かけては、むかえにいくなんてことも。園までのかえり道、子どもの後を、ばたばたとついてくる、そんないい時期もあったそうです。

 

ももの木保育園は、2024年に創立40周年を迎えます。大切にしている4つの理念である、「あふれる意欲」「しなやかな身体」「思いやりの心」「豊かな感性」をとおして、健康な身体と豊かな感性が育っていきます。

 

開園当初から、障がいを持った子どもも一緒に保育をしています。おぎゃあとうまれた尊いいのち。「どの子も育つ」という保育論をもとに、今、何に困っているかを考えるそうです。

 

発達がゆっくりでも、育つ道筋は、同じです。首がすわり、寝返りをし、ハイハイ、ひとり立ち、その後、歩行になります。緊張をとり、意欲を大切にしながら、丁寧に、根気よく関わり、子どもたちを育てています。
そのためには、親子通園をとおして、お母さんも子どもたちと一緒に通い、保育士と一緒にわが子の成長を促します。毎日、ロールマットやマッサージ、リズムあそびも行います。

 

 

親子通園を通して、子どもの生活環境の整え方や声かけも学びます。

 

感性を育てる乳幼児期は、実体験、五感をとおして、物事を知ることを大切にしています。

 

 

子どもたちのことばが乱暴に感じる、と、この園での環境を知らない親御さんから聞かれるそうです。「ばーかばーか」と親しみを持って接してくる時期が、2歳、3歳のころはよくあるそうです。そこを通り過ぎると、次は「うんこ、うんこ」。大人の顔色をうかがいながら、笑ってくれる人なのか、怒られてしまう人なのか、うんち、バカといって人の関わり方やコミュニケーション能力をつけていると、実生活に活かせそうな考え方を教えていただきました。

 

子どもたちは、ちょっと上の学年の子たちを、お手本にして、かっこいいと思ってすごしています。

 

言葉が乱暴だから、と、この時期に止めちゃだめで、大人は、丁寧なことば、優しいことばをつかってあげてください。大人がおまえばかだなあ、なんて、園の人たちは、言いません。あら、いい子、素敵ね、いいのができたね、がんばったね、たいしたもんだね、、、普段から、自然といい言葉がけをしているという、素敵なお話も聞けました。

 

そのお話を聞き、この時期にたまたまあった、自宅での出来事をお話させていただきました。「それは〇〇なの?」と私が声をかけると、「〇〇じゃねー」と娘。お互い怒っているわけでもなく、日常会話の一部です。私は、娘の言葉づかいに驚きました。

すると、園長からは、「お家でも同じ。否定するのではなく、『そういうしゃべり方は、お母さん好きじゃないな』って、お母さんの意見として、伝えてあげたらいいかな」、と教えていただきました。

 

子育てをしていると、そのとき、そのタイミングで戸惑うことがありますが、その場で一緒に考えてくださり、とてもありがたいです。そして、仲間の中で「イヤ」「ダメ」と反発して、自己主張しあうことが、相手の気持ちを考えるチャンスになるので、それも大事。みんなで受け止めながら、育てていけるといいというお話もありました。その経験を経て、社会に出ていった子どもたちは、他の人のことも考えられるようになります。言葉づかいをいちいち直されることで、自分を表現しなくなってしまうことの方が、心配です。

 

 

この園の子どもたちは、生活の中で、人と関わる楽しさをみつけて、育っていくそうです。

 

0歳児からそれぞれの年齢に大切な時期があり、日頃から意識をして保育をされているそうです。
0歳は、長い人生の中で最も基本となる力を身につける時期。運動神経、感覚神経、心の発達、、、全身の神経回路が脳とつながり合って、ぐんぐん育っていきます。おなかがすいたら不快、おなかがいっぱいになれば気持ちいい。お母さんの優しい愛情に包まれれば気持ちいい、おしっこが出れば、気持ち悪い。その感性を大事にしているそうです。

 

 

0歳児のお部屋は、終日、陽が届き、風が通り抜ける空間です。お母さん、お父さんに塗ってもらった土壁に、ひのきの床。生活の中で、段差があることは、運動量が増えますし、身体の交互運動ができるようになります。

 

1歳になると、服を着替える、ボタンをはめる、、、大人や友だちの見よう見まねで、なんでも自分でやりたい時期。できないから、って大人がボタンをはめてやろうものなら、脱いでもう一回やる、そんな時期がくるそうです。

 

 

 

お話を伺った後は、子どもたちが過ごす園内を、案内していただきました。お散歩は、時間や子どもたちの体力によって、いろいろなコースがあります。春なら、イタドリ、わらびなど山菜、秋なら、木の実。季節を感じながら、自然を楽しみます。足元は、素足の感覚を大切にしています。子どもたちは、親の手づくりの素足に近い履物(ワラーチ)を履いています。

 

 

園では、季節感を大事にしたうたを、元気いっぱい歌います。みんなで、山にたけのこをとりにいって、よいしょ、よいしょ、と苦労して掘って、触って、食べて、たけのこをまるごと感じて、そして、たけのこ、のこのこ、と歌をうたいます。

 

6月には、びわの歌の「びわはやさしい 木の実だから ~ ママといただく やぎさんの お乳よりかも まだあまく」という歌詞に合わせて、びわの実を食べて、やぎのおちちを取り寄せて、なめたり。

 

歌やリズムをとおして、季節をまるごといただきます。

 

成長のいろんな場面で、みんなと過ごした貴重な時間を思い出すのよ、と話してくださいました。園として、いろんな形で、神経をつかわれているんですね。

 

 

取材中に、すれ違う子どもたちは、とても人懐っこく、森で拾ったものを見せてくれました。

1歳児さんは、「バチバチとってきた、パパとママのおみやげ」、と、スギやヒノキの枝をつかんだ手のひらを見せてくれました。

2歳児さん(誕生日がきたら、3歳をむかえる)は、傾斜のしっかりした山からおりてきました。まだ、入園したばかりの、ももっこ(子ども発達支援センター桃っこを利用している子ども)さんは、おもしろいことを前にすると、乗り出して、へーーと、いい顔をしてのぞきこむ姿もあります。

3歳児さんは、なにやら、太い立派な木の幹やら枝を、ほこらしげに持ち帰りました。体力の違いで、園内で木の実を拾ったり、お散歩をして別行動する子もいます。

 

 

年長児は、やぎ小屋の掃除の後、肥料となるうんちをバケツに入れて年長畑に持っていき、畑の草取りをして帰ってきました。

ただ、山を歩く、というより、いちご摘み、木の実ひろい、焚き木取りといった楽しい取り組みをしています。

 

 

散歩のあと、園の子どもたちは、想いのあふれるランチの時間。

テーブルセッティングも自分たちでできるようになります。子どもたちの味覚を育てるために、安心安全の良質な調味料を。添加物、白砂糖などは避け、素材の味がわかるように薄味で調理をしています。出汁をとった煮干しを、つくだ煮にしてごはんにかけたり、給食をつくってくださる職員さんのこだわりで、にんじんも生長点を活かし、葉とくきの境目の栄養がある部分、そこをきれいに洗って、お吸い物のお出しにしたり、まるごと食べてムダがないです。

 

 

月齢に合わせた食事のとり方も大切にしているそうです。咀嚼といって、まずはごぼうやきゅうりをガジガジとかじり、噛むちからを育てます。2歳児の5月ごろは、子どもの食べる量を考えて、担任がよそいますが、そのうちに、自分でよそうようになり、3歳児は、自分たちで盛りつけます。もし、自分のすきなものばかりよそっていたら、教えてあげながら、自分で食べる意欲を育てていくそうです。

 

 

 

お母さんたちにとっても、小さい0歳児から入園することが本当はいいというお話も伺いました。私が、娘を入園させたのは、2歳児の4月。入園当初、娘は、極度の人見知りで、家から一歩外に出ると、ほとんど声がでない状態でした。そこから驚くほど成長していき、保育園での出来事を毎日、楽しそうに話してくれるようになりました。友だちと取り合っこして、大泣きした話。昨年は怖くてプールで顔をつけられなかった娘が、なんとかそんな自分から抜け出したい、という気持ちの表れか、勢いをつけてプールに飛び込むチャレンジをした話。昨年度のこの時期のいちご摘みでは、上の学年の子たちからいちごをわけてもらう側でしたが、今年は、自分たちで採ってきたいちごを、下の学年の子たちにあげたという話、、、、何気ない会話の中で、心の成長も感じられます。

 

0歳児から4歳児までは、遊んですごしますが、年長になると、仕事として、動物当番や課題の活動が増えていきます。

 

年長の5月に入園した子のエピソードについて、聞きました。

この日は田植え初日。クラスの子が、一生懸命、田植えをする中、その子は、田植えも少ししましたが、かえるに夢中になって遊んでいました。好きなものがあるということはとても大事なことです。その子はそこから仲間たちといろいろな経験をし、イキイキと、卒園していきました。

 

園であそんできた子どもたちには、動物当番をする年長さんが憧れの存在。年長になって1週間くらいは、「年長だー」と、張り切って、動物当番をします。動物小屋のお掃除や、えさをセットします。地道な作業で、1週間であきてしまいますが、卒園のころには、10分くらいで手際よく終えて、年長の活動を満喫します。そうして、育って卒園していく、頼もしい成長のお話もありました。

 

あそびほうける子どもの向こう側には、「生きる力」を育てる根っこが、あちらこちらに張りめぐらされているかのように思えます。根っこの先には、「自然を感じる力」「人との交わり方」「違いを受け止める力」「自己肯定力」「集中力」「やさしさ」などがあり、あそびながら何年もかかって根っこが吸い上げ、やがて大きな樹になります。

 

 

最後になります。

今回取材してみて、改めて感じました。ももの木保育園には、「どの子も育つ 育てる保育」を実践され、「生きる力」を育てていく環境があります。自然保育を考えている方、子どもに生きていく力をつけていってほしい方、身体に弱い部分を持っていて、自然の中で療育を考えている方、ぜひ、体験保育に参加して、人、環境にまるごと触れてみてください。保育士さんも、ご応募大歓迎です。

 

卒業していつか、子どもの頃を振り返ったとき「あ〜、あのとき仲間と過ごした時間、おもしろかったな」と、記憶に残る体験がたくさん思い返されるのではないでしょうか。園を巣立っていく子どもたちは、自分の持つ力を存分に発揮して、自分で進路を決めていくそうです。

 

園の魅力が、たくさんの方に届きますように。

 


NPO法人ももの木保育園
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愛知県額田郡幸田町
大字荻字流レ石29
■ 電話番号:0564-62-2390
■ FAX :0564-62-0400

※ももの木保育園は岡崎市に在住の方は3~5歳児が利用可能です
0~2歳児は幸田町在住の方が対象となります。